この胸いっぱいの愛を。
・悪夢は突然に
〜将一郎side〜
試験が終了し、放課後。
俺は明日の試験科目の教材をカバンの中に入れ、足早に体育倉庫に向かった。
もしかしたら、もう呼び出した奴も来ているかもしれない。
人を待たせるのは、性に合わないからな。
「あ、将一郎!」
歩いている途中で、柊也に声をかけられた。
何故、こんなところに……そうか。
「お前も、果たし状を受け取ったのか?」
「え?」
そう尋ねると、柊也は「何のこと?」と聞き返してきた。
「今日の朝、机の中にこんなものが入っていたんだ」
カバンから封筒を取り出して、手渡す。
見せても、良かったのだろうか。
まぁ、待ち合わせた場所に一人で行けば、相手も文句は言わないだろう。
柊也は入っていた便箋を真剣な面持ちで読むと、信じられないことを口にした。
「これ……ラブレターじゃないの?」
……………ラブ、レター?
.