卒業-バイバイ先輩-
「ってか、何で絆創膏とかしてないんですか」

「ん、昨日忘れてて」

「保健室に行くとかあるじゃないですか」

「こんぐらいで、んな大袈裟な・・・」

「はいっ!」

半ばヤケになって、あたしはポケットから傷用テープを取り出した。

それは黄土色で、中心にガーゼがついていて、まさに先輩の傷にはピッタリで、


つまりは、あたしと同じ絆創膏だった。


「くれんの??」

「いらないならいいですけど」

「いんよ。サンキュー」

キュン。

て、した。

美穂先輩に言ってるとこしか見たことなかった先輩の『サンキュー』。

それが、今はあたしに向けられてる。



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