卒業-バイバイ先輩-
退場する時、何人かの先輩は泣いてて、でも全員が笑ってた。

悔いないって感じのその笑顔に、なぜかあたしは泣きそうになった。

あたしも、こうやって笑って卒業できるだろうか。

やっぱり、第2貰わないと”悔い無く”なんて無理な気がする。



先輩も、いつもよりも眩しい笑顔で歩いていた。

『花道』とはいいがたい、ただの椅子と椅子の間の道を歩く先輩。

あたしは当然、ずっと先輩を目で追ってて。


あたしの真横を通った時、バチッと目が合った。



あたしが、先輩を見る。


先輩も、あたしを見てる。




< 44 / 56 >

この作品をシェア

pagetop