卒業-バイバイ先輩-
下校の時間、校庭は人、人、人だった。

保護者に生徒に教師に・・・でも、そんな中で先輩を見つけることはそう難しくなかった。

っていうか、むしろ簡単だった。

女子のキャーキャー言ってるとこを探す。

黄色い声は五月蝿いくらいに聞こえてくるから、すぐに分かった。



「先輩っ卒業おめでとうございますっ」

「第2ボタンください~っ」

「やっぱ美穂先輩ですか?!せめて第1を!」


あたしもあの中の1人になって必死に喚こうか。

でもそんなことしたって、きっと先輩は他の子にするように、笑ってごまかすだけだろう。

近くに美穂先輩はいないけど

美穂先輩にボタンが渡る前に・・・もし貰えなくても、あたしは言わなきゃなんない。



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