卒業-バイバイ先輩-
あたしは先輩に近づくべく、大勢を押しのけ、掻き分ける。

足は踏まれるわ、髪は乱れるわで先輩の前に出る前に鏡を見たい気持ちもあったけど、もうそんなの放っておいた。

近づくあたしの視線は先輩ただ1人に向けられてて。


・・・あとちょっとってとこで、気づかれた。


「・・・・・・」

目を丸くして、いかにも驚いてるって反応を見せる先輩。

どうにもやりにくい・・・。

でも先輩は、すぐに、

「よう、後輩」


そう言って目を細めた。




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