卒業-バイバイ先輩-
・・・-夏

「あっちぃ!」

「窓開ければ?」

「や、余裕で開けてるから!」

「あそ」

このクソ暑い時期に我がクラスのクーラーは故障し、この日も地獄を味わっていた。

廊下側の席のあたしと、そのクラスメート『祐樹』は余計に地獄を味わっていて、そんな時に突然ガラガラと音を立ててドアが開いた。


「ゆーき、コンパス貸して」

「先輩!いいっすよー」

祐樹にコンパスをねだるその先輩が、『先輩』だった。

「つか、何で俺なんすかあ?先輩まさか友達いなくなった?」

「1年の校舎に用があったんだよ!俺のフレンドリーさなめんな」

祐樹と楽しく談笑するその先輩はカッコよくて、すごいカッコよくて、ど真ん中に来たのが、

あたしに気づいた先輩があたしに手を振ったっていう行動。

「どっ、どーもっ!」



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