卒業-バイバイ先輩-
「コーハイ!」

長い廊下なかの途中、後ろから声がした。

この声で。
『後輩』ってのは。

…あたし?

「…誰ですか」

振り向いた先にいるのはもちろん先輩だったけど、『先輩!』なんて可愛く言える筈もなく。

「あ゙?憧れの先輩だろうがよ」

「ありえません」

嘘だけど。大嘘だけど。
きっぱりとあたしは言って、無意識に…




「別に憧れられなくても…美穂先輩がいるから十分じゃないですか」





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