水の中の鳥籠
化石燃料をやめ、環境に優しい燃料を開発し広めた。

だが、そのとき既に大地は汚染されていた。

幾多に重なる戦争で使われた爆薬や薬、食物の生産を増やすために使った濃い農薬、人類の身勝手な森林伐採。

それらが何百年も続き大地は疲れ切っていた。

もう、食物を育てる気力さえこの大地には残っていなかった。

すべて人類がやったこと。

便利さを求め続けた結果がこれである。

人は楽をするものではないと分かった頃にはもう手遅れだった。

そして人類はひとつの決断を下した。


この星を離れるしかない。


反発はたくさんあった。

資金問題も浮上した。

それらはどうにかなるとしても、最大の問題は場所だった。

昔から目をつけていた宇宙へ。

こんなになっても人々の中には地球に残りたい者もいた。

そして新たな移住先が見つかった。

それは海底。
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