砂漠の王と拾われ花嫁
タヒール大臣の娘ファティマをお兄様の妻に!?


前からそのような噂は聞いていた。


だが、ラシッドの口からファティマの話が出るのは初めてだった。


「リセ?」


「私にはわかりません・・・でもお兄様はもう27歳ですもの 妻を娶られるのは当たり前の事です」


心の中ではタヒール大臣の娘がラシッドの妻になるなど嫌だった。


だが、政治的な関係もあるのならばラシッドに不利になるような事があってはならない。


莉世は言葉を選んでそう言った。


「そうか」


ラシッドはそうかと言うとスープを口に運んだ。


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