砂漠の王と拾われ花嫁
「馬番の彼の事はご心配なく 私が責任を持って命を守りましょう」


タージルの言葉にビックリする。


「どうしてですか?」


「それは・・・姫君を悲しませたくないからです」


一歩近づくタージルに莉世は一歩下がる。


それを見てタージルが目を細めてフッと口元を緩ませる。


「どうやら私は姫君に嫌われているらしい」


「嫌うも何も・・・」


自分を憎む男の息子だ。


なぜ彼がここへやってきたのか不思議だ。


「父の言うように姫君は絶対に奴隷市場へはやりませんから」


「もうお戻りになって下さい・・・・」


莉世は丁重に言った。





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