砂漠の王と拾われ花嫁
ラシッドは厩舎から執務室へ行き、アクバールが莉世を部屋まで送り届けた。



「わざわざありがとうございました」



部屋の前に来ると莉世はお礼を言った。


一緒にいても話はしなかった。


アクバールが後ろを付いて来るだけ。



「姫君」


部屋に入ろうとするとアクバールが呼び止めた。


「はい?」


「殿下はその手首を心配しておられました わたくしにはお話していただけませんか?内密にすると約束します」


「アクバール・・・何でもないのよ 送ってくれてありがとう」


莉世はそっけなく言うと部屋に入った。



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