砂漠の王と拾われ花嫁
夕食はいつものようにラシッドと2人っきりだ。


2人っきりと言っても少し離れた入り口にアーメッドが控えていて鋭い目を莉世に向けている。


運ばれたおいしそうな料理を莉世はただつつくだけ。


「しっかり食べるんだ」


「お兄様も食が進んでおられないわ」


ラシッドもお酒を飲むばかりで食べ物は口に入れていない。


「お酒ばかり飲むなんておかしいわ」


莉世は立ち上がるとラシッドの隣へ行き、ラシッドの持っているグラスを取り上げた。


「なにをっ?」


莉世が手にしたグラスを見る。


「わたしも飲みたいの」


そう言うとグイッとグラスの中身を飲み干した。



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