砂漠の王と拾われ花嫁
横が2メートル、縦が5メートルほどある石の湯船。



6本の石の支柱があり、その支柱には美しい絵が描かれている。



唯一、ここに来て色鮮やかな絵がながめられるのが気に入っている。


「今晩、宴が開かれます 姫様もご出席するようにと殿下が申しておりました」


「宴?」


宴に招かれるのは滅多にない。


新年の宴くらいだ。


今日は新年ではない。


「私が宴に出るの?」


「はい 殿下が申しておりました」


ラシッドの名前を聞いて胸がつんと痛くなった。



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