砂漠の王と拾われ花嫁
ラシッドは踊り子の注ぐ酒を飲んでいた。



「リセはまだか?」


ラシッドが隣に座っているアクバールに聞く。


「もう着く頃かと・・・」


迎えに行かせてからずいぶん経っている。


アクバールも何をしているのかと考えている所へラシッドの言葉だった。


ラシッドは視線を少し離れた所で踊っている踊り子に目を向けた。


きらびやかな衣装を見につけた踊り子はラシッドと目が合うと「今夜はわたくしをご指名なさって」と言うように妖艶に微笑み、目で誘う。



そこへタヒール大臣が近づいてくるのが見えた。


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