砂漠の王と拾われ花嫁
シャーン!シャーン!シャーン!


大きな楽器の音と共に、真っ赤な衣装を着たファティマが舞台に現れた。


そして、ラシッドの所へはタヒールがうやうやしく来た。


「これからファティマが踊らせて頂きます」


踊り子以上に派手な衣装に身をまとったファティマはラシッドと莉世から数メートル離れた所に立つと優雅にお辞儀をする。


そして音と共に踊り始めた。


漆黒の髪を頭の高い所で結びコインや金糸で髪を編み込み動くたびに音をたてる。


腰をくねらせ、妖艶な身体を差し出すようにラシッドに近づく。


誰が見てもファティマの踊りは見事だ。


高貴な身分なので腹部は出してはいないが、胸の膨らみはたっぷりと見せている。


そんなファティマを見て莉世は当惑した。



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