砂漠の王と拾われ花嫁

剣(つるぎ)の舞

「さあ?」


「いいえ・・・剣をこの場に持ってきておりませんので・・・」


そう言って断ったのだがタヒールはにやりとした。


「そういう事もあろうかとわたくしがご用意させていただきました」


後ろに控えていた側近に頷くと剣が差し出された。


「お一人で踊られるのは心細かろう 今日は相手をつけましょう」


タヒールの側近で踊りの名手と言われている男が莉世の目の前に現れた。


どんどん逃げられなくなる。


「・・・わかりました」


こうなったら踊るしかない。


だいぶ手首も治って来たのだから大丈夫。


莉世は覚悟を決めて立ち上がった。



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