砂漠の王と拾われ花嫁
暗くなる前に莉世はベッドの上でうとうととしていた。



そして夢を見ていた。



姫君、殿下のお后はファティマ様に決定いたしました。
殿下はもう2度と姫君の顔を見たくないと言われております。
姫君はこれから奴隷市場へお連れいたしましょう。


たんたんとアーメッドに言われて莉世は恐怖におののいた。


奴隷市場!?


そして一瞬にして場面が変わり自分が丸い台の上に立ちその周りを男たちが囲んでいる。



自分を見ていた男の手が伸びて足を掴む。



「きゃーっ!」


莉世は叫び声を上げた。



夢の中と現実の叫び声。



「姫様っ!姫様っ!」


マハルがうなされている莉世の身体を揺する。




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