砂漠の王と拾われ花嫁
身体を揺すられてハッと目を開けた莉世は夢だった事に安堵した。



「姫様、大丈夫でございますか?」



「・・・マ・・ハル・・はぁ・・・」



莉世は呼吸が苦しくなり荒い息を繰り返した。



「姫様っ!」


「だ、だいじょ・・うぶ・・・・」


ここへ来た頃の莉世は毎晩うなされ、そういう時は決まって呼吸がうまく出来なくなった。



しばらくこんな事はなかったのに。



大丈夫と言うが、身体を起こし苦しげに呼吸を繰り返す莉世を見てマハルが召使いに侍医を呼ぶように命じた。



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