砂漠の王と拾われ花嫁
扉の閉まる音で莉世は目覚めた。


お兄様・・・?


左手を使わないように右手だけで身体を起こす。


左手はしびれたような感覚で莉世の心に不安が広がる。


「まだ感覚がない・・・・」


とぼとぼと水差しが置かれているテーブルへ行く。


左手が使えないので不便だ。


少しだけコップに注ぎ飲む。


その水は室温でぬるかった。



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