砂漠の王と拾われ花嫁

戯曲

莉世はつまらなそうに居間に行くと、お気に入りのイスにぽすんと座った。


それを見ていたマハルはやれやれと言った感じに肩をすくめた。



「姫様、ただいまお食事をお持ちいたします」


元気のない莉世に言うと部屋を出て行った。





♪~~~~♪~~~


開け放たれた窓の外から昨日踊った剣の舞の戯曲が聞こえてきた。



「?」


莉世はイスから立ち上がるとベランダへ出ると下を見下ろした。



下を見回すと噴水の石に腰をかけた昨日の青年がいた。



今日は長い黒髪を後ろで一つに結んでいる。



そして手にはこの国でよく使われる楽器を持ち弾いている。



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