砂漠の王と拾われ花嫁
「リセ」


傍まで来て声をかけると莉世は驚いた顔を向けた。


「お兄様・・・・」


「具合はどうだ?」


上に羽織ったカフタンを脱ぐとアーメッドがどこからともなく現れてそれを受け取る。


「・・・・」


具合はどうだと聞かれても答えに困る。


正直言えばラシッドは酷く心配するだろう。


「だいぶ・・・良いです・・・」


莉世はうつむき加減で答える。


「まだすねているのか?」


ラシッドは莉世の目の前にひざまずいた。


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