砂漠の王と拾われ花嫁
「だったら・・・だったらファティマ様とすればっ」


彼女ならば男性を喜ばすのが上手そうだ。



「ファティマ?」



ラシッドの片方の眉が上がる。



「そうです 私なんかより……」


生まれて初めてキスだった。



巧みなラシッドのリードで一方的なキスだったが、ファティマならば一緒になって気分を高めるキスをするだろう。



「リセ、嫉妬してくれているのか?」


そう聞くラシッドの声は嬉しそうに聞こえる。



「お兄様・・・」



嫉妬には違いない。



ラシッドに近づく女性全員に嫉妬してしまう莉世なのだから。





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