砂漠の王と拾われ花嫁
「リセ?」


莉世の苦しそうな表情を見てラシッドが眉根を寄せる。


「どうした?」


「お兄様・・・嫉妬してはいけないのですか?」



くもりのないグリーンの瞳でラシッドを見つめる。



「私は・・・もうお兄様と・・・呼びたくない」



そこまで言ってしまって莉世は我に返った。



ハッとして立ち上がる。



「ご、ごめんなさい 嘘です からかっただけなの、聞かなかった事にして下さい」



瞳を潤ませて今にもその場から逃げ出しそうだ。



ラシッドは立ち上がると莉世の右手を掴んだ。



「私・・・私・・・」


どうしよう・・・つい我を忘れて本当の気持ちを言ってしまった・・・。



動揺を隠そうとうつむくとラシッドの指があごにかかり上を向かされてしまう。



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