砂漠の王と拾われ花嫁
冴えない顔色の娘が映っていた。



乱れた髪をブラシで梳く。



身だしなみを整えると笑顔を作る。



お兄様には何も言わない事にした。



私への縁談話はお兄様が断ってくれる。



お兄様は私を愛してくれているのだから。



少し気が楽になって莉世は部屋を出た。







「お兄様っ」


にっこり笑いながら莉世はラシッドの元へ駆け寄った。



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