砂漠の王と拾われ花嫁
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莉世はバルコニーへ出て深いため息を吐いた。
お天気で気持ちの良い朝なのに気分は最悪。
しばらくナツメヤシの樹木を見てから部屋の中へ入った。
そうだ!カリムに会いに行こう。
莉世は隣の部屋にいたマハルに言うとピンクのドレスをひるがえして出て行った。
厩舎へ行くとカリムはすぐに見つかった。
カリムは莉世の愛馬シラユキにブラシをかけていた。
ブラシをかけてもらってシラユキは気持ち良さそうだ。
「シラユキが気持ち良さそう カリム、ありがとう」
莉世の声にカリムが振り向いた。
「姫様」
莉世にお礼を言われて頬が赤くなるカリムだった。