砂漠の王と拾われ花嫁
求婚
ファティマが珍しく父親の執務室へ訪れた。
だが、父は部屋におらず兄が机に向かっている。
タージルは部屋に入って来たファティマを見るとすぐに書類に目を落とした。
いつもわたくしを無視するのね。
ファティマは兄の態度が癪に障る。
「お兄様、聞きまして?」
兄の机の前に立つと言う。
「何をだ?お前の言葉はいつもわからない」
書類から目を離さず言う兄にファティマは眉間に皺を寄せた。
「リセの事ですわ」
気分を取り直す。
「姫君の事?」
やっと兄が顔を上げるのを見てほくそ笑む。
だが、父は部屋におらず兄が机に向かっている。
タージルは部屋に入って来たファティマを見るとすぐに書類に目を落とした。
いつもわたくしを無視するのね。
ファティマは兄の態度が癪に障る。
「お兄様、聞きまして?」
兄の机の前に立つと言う。
「何をだ?お前の言葉はいつもわからない」
書類から目を離さず言う兄にファティマは眉間に皺を寄せた。
「リセの事ですわ」
気分を取り直す。
「姫君の事?」
やっと兄が顔を上げるのを見てほくそ笑む。