砂漠の王と拾われ花嫁
「姫君が馬に襲われたと聞きました」



ラシッドはタージルの口から出た言葉に顔には出さないが内心驚いた。



極秘にはしてはいなかったが自分の住居内の厩舎での出来事で、騒ぎも大きくなかったはず。



「なぜその事を?」



ラシッドが執務机に肘を付き両手を組む。


「召使いが噂していたので・・・・」


「そしてなぜお前が気にする?」


「わたしは姫君が好きだからです」


タージルの言葉にラシッドは驚かなかった。


リセは美しい、男ならリセをひと目見れば欲しいと思うだろう。



「ラシッド殿下、お願いがあります リセ姫をわたしに下さい」



床に座りタージルは頭を下げた。




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