砂漠の王と拾われ花嫁
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莉世の左手の事を知ったタヒールは笑いが止まらない。
あの娘は五体満足ではなくなった今、このままでは后になることすら出来ぬだろう。
ファティマ、お前の出番がやって来たぞ。
ラシッドもそんな女が妻になるのは嫌だろうに。
「フフフッ」
おかしくて笑いが止まらないな。
いずれは奴隷市場へ売られていく身。
「少し同情を覚えるがな」
タヒールはもう一度高らかに笑うと娘の部屋に向かった。