砂漠の王と拾われ花嫁

* * * * * *



莉世の左手の事を知ったタヒールは笑いが止まらない。



あの娘は五体満足ではなくなった今、このままでは后になることすら出来ぬだろう。



ファティマ、お前の出番がやって来たぞ。



ラシッドもそんな女が妻になるのは嫌だろうに。



「フフフッ」



おかしくて笑いが止まらないな。



いずれは奴隷市場へ売られていく身。



「少し同情を覚えるがな」



タヒールはもう一度高らかに笑うと娘の部屋に向かった。



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