砂漠の王と拾われ花嫁
「何をしている!?」



入って来たのはラシッドで胸から下を濡らした今にも泣きそうな女教師とポットを持っている莉世を交互に見た。



「お兄様!」



莉世は悪い事をして見つかった子供のような顔になった。



「ラシッド殿下!姫様がいきなりっ!」



莉世から逃げるようにラシッドの元へ駆け寄る。



「リセ?」



莉世の名前を呼ぶラシッドの瞳に怒りが見えた。



大臣や長老たちが反対しているとアーメッドに言われ、非になる事を避けたいのに問題を起こしてしまった。



どうして莉世がこんな事をしてしまったのかはわからないが、かけてしまったのは事実。



「リセ、謝りなさい」



「嫌です」



頑固にそっぽを向いてしまった莉世。



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