砂漠の王と拾われ花嫁
その時、ドアが叩かれた。



そして入って来たのはアーメッド。



「失礼いたします ラシッド殿下」



アーメッドがラシッドに近づくと顔を寄せ耳打ちした。



「なんだと!?」


ラシッドが愕然となった。



リセ、行ってはだめだ!


さそりや毒蛇が動き回る砂漠は危険だ。



今の時間は暑い為、行動はしないが日が落ちれば奴らは活発になる。



シラユキに振り落とされたら最後、あの左手では馬に乗ることも出来まい。



ラシッドは乱暴にイスから立ち上がると何も言わずにその場を離れた。



「「「ラシッド殿下!」」」


突然出て行ったラシッドに大臣たちがあっけに取られた。





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