砂漠の王と拾われ花嫁
「シラユキ、宮殿へ帰りなさい」



シラユキはジッと莉世の目を見ていた。



「シラユキ、お願いだから!」



シラユキの心配げな長いまつげの下の目。



莉世は唇をぐっと噛みしめた。



シラユキの背後に回るとお尻を思いっきり叩く。



突然叩かれたシラユキは驚き駆けて行った。



莉世は小さくなっていくシラユキを見つめた。



神様が日本へ帰してくれなければわたしはここで死んでしまうだろう。



左手が動かないのならば・・・



奴隷市場へ行かされるのなら・・・



お兄様の愛が得られないのなら・・・



死んだほうが良い・・・。




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