砂漠の王と拾われ花嫁
左手が動かないと知られた頃からラシッドは殺人的に忙しくなり話もちゃんと出来ずに心が通わなくなってしまったと莉世は1人で考えていた。



わたしはお兄様に相応しくないのは分かっているけど冷たくされると悲しかった。



お兄様はあの女教師の言う事ばかり聞いて私の味方になってくれなかった。



わたしを愛していれば味方になってくれたはず・・・・。



薄れ行く意識の中でいろいろな事が走馬灯のように巡る。



わたしはこれで何も悩まなくなる・・・。


お兄様も・・・楽になる?


太陽が下に傾いてきていた。



砂の熱さもこれからは一気に冷却されるだろう。



そこで莉世の意識がなくなった。




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