砂漠の王と拾われ花嫁
ラシッドは手を伸ばし少女の額に触れる。


「また熱が上がったぞ?」


先ほどはひどい拒絶をしていた少女はされるままに額に手を置かれていた。


ラシッドの手が莉世の額に触れた途端、気分が落ち着いたのだ。


この人を・・・信頼してもいいの・・・?

見知らぬ世界に頼れるのはこの人しかいない・・・。



「眠い・・・・」


少女はその一言だけ言ってコトッと眠りに就いた。


まだ小さなこの娘の面倒を見るのも良いかもしれないな。


その寝顔を見ていると心が安らぐのを感じた。



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