砂漠の王と拾われ花嫁
「無茶な事を・・・なぜ砂漠へ来た!?」



気を失う前はあんなに暑かったのに今はぶるっと震えるくらい寒い。



「・・・・」



ラシッドの剣幕に莉世は答えられない。



「リセ!」



「どうして放っておいてくれなかったの!?」



莉世は乱暴に叫んでいた。



「いったいどうしたんだ?」



「お兄様は私の事などどうでも良いのよ!」



寒さからか身を守ろうとしているのか右腕を前で身体に巻きつけた。



「何を言っている?」



莉世の言葉の意味がわからない。



「お前の事をどうでも良いなどとは思っていない」




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