砂漠の王と拾われ花嫁
ラシッドは意識が朦朧としてきた中、紙に包まれた粉薬を口にした。



莉世はラシッドの口に水を流し込む。



効くかわからない?



嫌っ!嫌だよ!



「お兄様っ、お兄様っ・・・」


どうしたらいいの・・・。



顔色はだんだんと蒼白になっていき、呼吸が荒いラシッドに莉世は泣いていた。



「リセ・・・泣くな きっと薬は効く・・・・」


目を閉じているラシッド。



「周りを・・見渡してくれ・・・まだ毒ヘビがいるか・・・」



「は、はいっ!」


莉世は言われたとおりに見回した。



ラシッドに刺された毒ヘビが転がっているだけ。


他の蛇は見当たらなかった。





< 330 / 491 >

この作品をシェア

pagetop