砂漠の王と拾われ花嫁
息絶えた毒ヘビに近づくと短剣を引き抜いた。



その姿に吐き気をもよおしたがそんな場合ではない。



お兄様を守らなくちゃ。



眠ってしまったラシッドを心配そうに見る。



あの薬は本当に効いてくれるのか・・・心配でたまらない。



わたしの為にお兄様は・・・。


薬が効かなければお兄様は死んでしまうの?



わたしが噛まれれば良かったのに・・・。



ラシッドを想い莉世の目から涙があふれ出た。



ガラーナもラシッドの一大事が分かったのか傍に近づいてきた。



「ガラーナ・・・どうしよう・・・」



莉世はガラーナの首を優しく撫でた。



< 331 / 491 >

この作品をシェア

pagetop