砂漠の王と拾われ花嫁
莉世の足元に肩を布で縛った男がすごい形相で立っていた。


「まったく無鉄砲な娘だな」


男はラシッドから離れる時をずっと待っていた。



起き上がろうとする莉世の腹部にドスッと足が置かれる。



「うぅぅ・・・」


強く腹部を押されて痛みに呼吸が出来なくなる。





「リセを開放しろ!」


すぐ傍にラシッドが立っていた。



「無理だな 俺たちは酷い目に合った この娘を殺してお前に苦痛を味合わせてやる!」



男は死ぬ覚悟だった。



娘を殺した後はすぐにこの男に殺される。



どの道、ここに残されても自分たちは助からない。



男は短剣を莉世に向かって振りかざした。




< 362 / 491 >

この作品をシェア

pagetop