砂漠の王と拾われ花嫁
* * * * * *



「リセ!リセはいるか?」


居間の方からラシッドの声がした。


お兄様だわっ!


莉世は驚いてベッドから降りた。



そして扉に向かおうとした時、扉が開いた。



「ここにいたのか」


莉世を見て安堵したような表情に莉世は小首をかしげた。



「どうかしたのですか?」



莉世はうれしくなりラシッドに弾むように近づいた。



「マハルがお前が一人だと聞いたのでな」



「お兄様っ!もしかしてわたしがまた逃げ出すとでも思っていたのですか?」



「い、いや そんな事は思っていない」



莉世が頬を膨らませるのを見てラシッドは笑いながら身体を抱き寄せた。




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