砂漠の王と拾われ花嫁

秘薬

「姫様、絞りたての桃のジュースを入れてまいりました」


ぼんやりしている莉世にマハルが氷をたっぷり入れた薄桃色のグラスを持ってきた。



「おいしそうね ありがとう」



莉世はグラスを受け取って一口飲む。



爽やかな甘さが喉を通ってすっきりした。



「とってもおいしいわ」


ニコッと持ってきてくれたマハルにお礼を言う。



「姫様の大好物でございますからね?」


「うん 桃は大好きだもの」


嬉しそうに言う莉世にマハルは笑顔を向けた。



沈んだ様子の莉世が気になっていたのだ。




< 397 / 491 >

この作品をシェア

pagetop