砂漠の王と拾われ花嫁
* * * * * *




莉世は部屋に戻ってもドキドキ胸が鳴っていた。


いけない事をしてしまった・・・。


盗みを働いたのだ。


手のひらに乗るほどの小瓶を見つめる。


これが秘薬・・・・。



莉世は布に包むとマハルに見つからないように引き出しの奥へしまった。





居間へ行くとマハルが刺繍をしていた。



「姫様、ずいぶんお昼寝されていましたね?」



マハルは莉世が寝室でお昼寝をしているものと思っていた。



「たくさん寝ちゃったわ 厩舎に行ってきます」



マハルの顔をまともに見れなくて莉世は部屋を出ようとした。



「あぁ!姫様 わたしもご一緒に!」



刺繍の布をテーブルに置く。



「いいの 大丈夫だからっ!」



早口に言うと部屋を出た莉世だった。




< 402 / 491 >

この作品をシェア

pagetop