砂漠の王と拾われ花嫁
涙が乾くとよく考えるからと言って莉世は厩舎を後にした。




莉世とカリムは気づかなかったが二人の話を聞いていた者がいた。



莉世が厩舎から出てくる前にその者は去って行った。



* * * * * *



翌日になるといつ侍医にばれてしまわないかハラハラしどおしだった。



「マハル、書庫へ行きたいのだけど・・・」



「書庫でございますか?」



「うん 読む本がなくなってしまったの」



莉世は不安な気持ちを悟られないように笑顔を向けた。



「最近は姫様、本の虫でございますからね?」



愛しそうにマハルは莉世を見て言った。




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