砂漠の王と拾われ花嫁
昼食を食べ終わると居間にマハルを残して、莉世は寝室へ行った。



引き出しの奥から「秘薬」の小瓶を取り出す。



きれいなブルーの液体。



莉世は目の前にかかげて小瓶を見る。



これで・・・左手が治るんだ・・・。




莉世はゆっくり小瓶の蓋を開けた。



口につけると一気に小瓶の中身を飲み込む。



次の瞬間、莉世の身体は全身が焼けるような感覚に襲われた。



「うう・・・っ・・・嫌・・・熱い・・・・ああああああっっっ」


莉世の手から小瓶が床に落ちた。



そして莉世の身体も床に崩れるように倒れた。



お兄様・・・・。



薄れゆく意識の中で最後に浮かんだのはラシッドの顔だった。




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