砂漠の王と拾われ花嫁
「なんだと!秘薬!?」


侍医は手にした小瓶をまじまじと見る。



小瓶の下の方にはまだブルーの液体が少し残っていた。



「間違いありません 「秘薬」でございます」



侍医が苦しんでいる莉世を見た。



「姫様・・・いったいどうして・・・・」



「侍医!「秘薬」とはどういう事なのですか!?姫様がこんなに苦しんでいるのです 早く治してください!」



ラシッドと侍医の会話にまったくわからないマハルは叫んだ。



早く姫様の苦しみを和らげて欲しい。



「マハル殿・・・」


侍医は言葉につまった。



その代わりにラシッドが口を開いた。



「マハル、「秘薬」は昔、万能の薬として使われていた。その頃はすべての病気や怪我に効き、人々は長寿になっていった。だが、薬は改良を重ねていくうちに必ずしも治らなくなっていった」



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