砂漠の王と拾われ花嫁
タヒールの企み
「さあ、誰もいませんわ お酒でもお飲みになって?」
ファティマはテーブルの上の美しい瓶を手にし、グラスに注ぐと苦々しげな父親の手に渡した。
タヒールは度数の濃い琥珀色の酒をぐっと煽ると口を開いた。
「・・・・あの娘が目を覚ました」
「なんですって!?」
ファティマは自分も飲もうと手にしていたグラスを驚きのあまり床に落としてしまった。
「目を覚ましただけ?それとも・・・・」
「左手は治ったらしい・・・」
「そんな!」
ファティマは茫然とした。
リセの身体が治れば妃に反対する理由がなくなる。
いいえ、ラシッド様はわたくしと結婚をすると公言したわ。
ファティマはテーブルの上の美しい瓶を手にし、グラスに注ぐと苦々しげな父親の手に渡した。
タヒールは度数の濃い琥珀色の酒をぐっと煽ると口を開いた。
「・・・・あの娘が目を覚ました」
「なんですって!?」
ファティマは自分も飲もうと手にしていたグラスを驚きのあまり床に落としてしまった。
「目を覚ましただけ?それとも・・・・」
「左手は治ったらしい・・・」
「そんな!」
ファティマは茫然とした。
リセの身体が治れば妃に反対する理由がなくなる。
いいえ、ラシッド様はわたくしと結婚をすると公言したわ。