砂漠の王と拾われ花嫁
「一つ問題があります」


侍医が言いづらそうな顔になった。


「問題?」


ラシッドが問う。



「はい 姫様は自力で飲む力がございません 誰かが『秘薬』を口に含み飲ませなければなりません それには危険が伴います」


「もちろん危険は覚悟の上だ」


そんな事は承知している。


今は莉世を目覚めさせる事が第一優先。


ラシッドの頭にはそれしかなかった。


「『秘薬』を口にした者はどうなるのか分からないのですよ」



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