砂漠の王と拾われ花嫁
* * * * * *



ベッドに胡坐をかいて座ったラシッドは莉世を抱きかかえた。


「殿下、もう一度お考えをお直し・・・」


「侍医、うるさいぞ」


そう言って手を伸ばし『秘薬』の瓶をくれと言うジェスチャーをした。



マハルはすぐに差し出せるように水の入ったグラスを持っている。


侍医はゆっくりと小瓶の蓋を開けてラシッドに手渡す。


ラシッドはためらう事もなくそれを口にして顔を莉世に傾けた。


ラシッドの唇と莉世の唇が合わさる。


ゆっくりと莉世の口の中へ『秘薬』を流し込んでいく。


『秘薬』を口に含んだ瞬間からラシッドは眩暈を覚えた。


意識が朦朧としてくる。


まだ駄目だ!リセに飲まさなくては!



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