砂漠の王と拾われ花嫁
莉世はゆっくりと何かが喉を通っていく感じがわかった。



誰・・・?お兄様・・・?


唇が誰かに触れられている感触。


「殿下!もう止めてください!早く吐き出してください!」


誰かの悲痛な声が聞こえた。


殿下・・・お兄様・・・?吐き出すって・・・・。


ラシッドの膝から莉世の身体が離された。





莉世は目を開けた。


目に入ったのはラシッドの端整な顔。


だが、目を閉じているラシッドの身体はグラッと揺れてベッドに倒れた。


「お兄様っ!?」


莉世は何がなんだか分からず叫んだ。


「「「姫様!」」」


その場にいた3人が莉世を見て驚きの声をあげた。


こんなに早く目覚めるとは思わなかったのだ。




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