砂漠の王と拾われ花嫁
「本当に?姫様」


カリムと呼ばれた馬番の少年は顔を上げると莉世を見た。


「友達なのにそんな風では寂しいもの」


莉世はにっこり微笑んだ。


莉世にとってこの世界で出来たたった一人の友達だ。


年の近い友達が欲しかった莉世は強引にカリムになってもらった。


「シラユキに乗りたいの」


莉世は中へ入り真っ白な馬のシラユキに近寄る。


「バカな事は言わないでくれよ 姫様っ!」


勝手に馬に乗せたら殺される。



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