砂漠の王と拾われ花嫁
しばらくすると居間にラシッドが姿を現した。


「リセ?」


居間にいると思った莉世はいない。


もう一度名前を呼ぶと莉世の寝室の扉が開いた。


「お帰りなさい お兄様」


「あぁ リセ 昨晩は帰れなくて済まなかった」


ラシッドは戸口に立ったままの莉世に近づいた。


いつもなら莉世は笑って抱きついてくる。


帰れなかった事を怒っているのか?


莉世はいつもと違う態度を取ってしまった事に気づいた。


近づいてくるラシッドに自分から駆け寄り抱きついた。




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