砂漠の王と拾われ花嫁
ライラが出て行った後、莉世は四柱式のベッドに横たわった。


目を閉じるとタヒール大臣の言葉ばかりが頭に浮かぶ。


「奴隷市場・・・・」


奴隷市場がどんな所かも知らない。


この世界に来てお兄様に拾われて運が良かった・・・


あの時、砂漠で死ぬか、誰かに拾われたとしても大臣の言った奴隷市場に連れて行かれたかもしれない。


ずきずきと痛む手首をそっと右手で抑えると、莉世は目を閉じた。



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